今年は6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、9月の台風21号に北海道での胆振東部地震と自然災害が続きましたので、日頃からの備えの大切さを痛感された方も多いのではないでしょうか。9月最後の週末も台風24号が日本列島を縦断していますが、被害が広がらないことを祈るばかりです。

ところで先日、ある企業の社長のお話を聞く機会がございました。業界でダントツのシェアを持つその会社は、売上のみならず素晴らしい財務内容を誇っていますが、それはリーダーである社長の考え方と企業理念を体現した結果なのだということがわかり、心から感激しました。その一方で、これからの社会に起こる劇的な変化についてのお話には、少なからず衝撃を受けました。内容の一部をご紹介申し上げますので、皆さまの不動産投資におけるご判断の一助となれば幸いに存じます。

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「スマホの出現により、世の中が急速に変わった。10年先には無人の自動運転自動車や無人の小売店舗が普通になるだろう。さらにAIやIoTの利活用により、ビジネスの進め方やスタイルがまるっきり変わる。今ある仕事の50~60%は不要となり、それに関わる人も要らなくなる。物作りはロボットに代替され、物を作るという概念も大きく変わる。価格競争も激化、それに勝利出来るごく一部の人だけが裕福になり、貧富の差が今まで以上に大きくなる。そして、そのどれもが急角度にやって来る。しかし、それでも人が関わらなければならない仕事は必ずある。だから、我々自身がその変化に対応出来るように変わって行かなければならないのだ」

以上が、その社長による未来予測の要点ですが、IT化が遅れていると言われる不動産業界に当てはめて見ても、

・スマホの出現 → バーチャル内見等、スマホによる物件情報の収集がもはや主流
・無人の自動運転自動車 → 「予め設定されたルートを走行する内見案内」が開発中
・AIの利活用 → マイソクの自動作成サービスが既に実用化
・IoTの利活用 → スマートロックによる入退室の把握の実用化
・価格競争の激化 → 仲介会社を排除するC to Cサービスの出現

などの激変が起こっています。

他にも、仮想通貨の基盤テクノロジーであるブロックチェーンを活用した「スマートコントラクト」と呼ばれる契約業務のオンライン化も、既に実用化されたと聞きます。それら一連の取り組みを総称して「不動産テック」と呼ぶそうですが、いやはやもうフォローするのはおろか、理解することさえ難しくなって来ていると言わざるを得ません。それでも、将来の不動産業を妄想してみると…。

2030年、都内のある不動産会社。
ドライバー不在の自動運転自動車が店舗の前に停車、中から降りて来た若いカップルが、無言のまま店の中へ入って行く。二人を降ろしたクルマは、いつの間にかどこかへ走り去ったようだ。
「ご内見、いかがでしたか?」
壁やカウンターに埋め込まれたスクリーンの中の店員たちが、にこやかな笑顔で二人を出迎えたものの、他に人の気配はない。先に口を開いたのは女性の方だった。
「私、あの物件に住みたいな」
スクリーンの中の店員の一人がそれに答える。
「ありがとうございます。それでは、ご契約の手続きをとらせていただきます」
「いや、ちょっと待って」
スマホで調べものをしていた男性は、見ていた画面を壁に投射し抵抗を試みる。
「別の不動産会社で、今から15分以内に申し込めば、仲介手数料を無料にするってさ」
それに対して、他の店員が即座に反応。
「私どもなら手数料を無料にするだけでなく、フリーレントをお付けできます」
店員の言葉に被せるように、笑顔で承諾するオーナーの顔が映し出された。
「じゃあ、ここで決めよう!」
二人の前のカウンターに表示されていた契約書が即座にスマホに転送され、顔認証を終えるやいなや決済が完了したこと、そしてルームキーがスマホに紐付けられたことがスクリーンに映し出され、店内はスクリーンの中の店員たちの笑顔に包まれるのであった…。

いかがでしょうか?まるでSFのような世界ですが、「不動産テック」を駆使すれば、ここに書かれたことはそう遠くない将来に、すべて実現される見込みです。新しい世界は、私たちの想像を遥かに超えるスピードで、もう直ぐそこまで来ているのです。

<引用>NTTデータ経営研究所

とは言え、私は、私たち不動産の仕事には、人が関わらなければならない仕事が必ずあると信じています。スピードや情報の質と量が重要であることは承知していますが、あくまでもITは、意思決定支援の役割に活用すべきです。経験から申し上げれば、金額の多寡に関わらず、お客様の心を決めるのは、やはりこちら側の真心にあるのではないでしょうか?

そう信じていればこそ、今回お聞きした社長様のお話には、我が意を得たりとの思いを強くしました。アナログかデジタルかのような単純な二者択一論ではなく、新しい時代に相応しい新しい組織の在り方やビジネスの進め方に柔軟に対応出来るよう変化を重ねながら、人にしか出来ないことには徹底的に拘る。そういうべるでんであり続けたいと心から念じるものであります。

時代の激変に思うこと

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